新しい超伝導材料の発見

超伝導体は、低温環境下で電気抵抗がゼロになる物質です。この現象により、電流が無限に流れ続け、理論上はエネルギーロスなしに電力を伝送できるとされています。しかしこの現象は、従来は極端に低い温度でのみ観測されてきました。

高温超伝導体の研究

近年、比較的高温でも超伝導性を示す物質が注目されています。これら「高温超伝導体」は、液体窒素などの低コスト冷却手段で超伝導状態に達する可能性があり、実用的な応用に大きな可能性を秘めています。

最近の例として、2023年にロチェスター大学のランガ・ディアス博士率いる研究グループが、水素化ルテチウムという新材料を発見し、294K（21℃）で超伝導性を示したことが確認されました。ディアス博士の以前の超伝導研究は2020年に一度発表されましたが、後に撤回されています。今回の超伝導材料は、イリノイ大学シカゴ校のラッセル・ヘムリー教授の研究グループによって試験成功が報告されていますが、今後の判断が待たれています。

超伝導材料の多様性

超伝導材料には、有機超伝導体と無機超伝導体が存在します。有機超伝導体は柔軟性と軽量さを兼ね備えていますが、無機超伝導体はより高い臨界温度と強度を有しています。最近では、これらのカテゴリに収まらない新型の超伝導材料の発見も報告されています。

超伝導に関する研究は活発に続けられており、デジタル技術の進展と共に超伝導素子の開発に向けた動きも変わらず続いています。新しい発見は、ノーベル賞を含む多くの注目を集め、常にわくわくする展開を見せています。