スパッタリング法とは?

化学

どうもゆうかです。

薄膜製作においてスパッタリング法を学ばない人はいないでしょう。

再現性が高く、比較的均一な膜が作れるスパッタリング法ですが、原理はどうなっているのでしょうか?

今回はスパッタリング法に関して原理を解説していこうと思います。

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スパッタリング法とは?

スパッタリング法とは、真空にした空間でプラズマを発生させて、プラズマをターゲット(試料)にぶつけることでターゲットが跳ね上がり、それを基盤(膜をつけたい板)に当てることで成膜する方法です。

簡単に説明します。

水たまりに石を投げるとどうなるでしょうか?

水滴が飛び散りますよね。原理的にはこれと同じことが起きています。

プラズマを電気を流すことで下のターゲットにぶつかるようにします。

するとターゲットは水滴のように上に飛びます。それを基盤でキャッチすることで膜を作ることができます。

これがスパッタリング法です。

プラズマの発生気圧

プラズマは2〜3Paほどで発生します。圧力を下げすぎるとプラズマがなくなってしまうのである程度の気圧が必要です。

スパッタリングの再現性が高い理由

再現性が高い理由として、真空中で操作を行うことができることが挙げられます。

大気中で行うCVD(化学蒸着法)などは大気に含まれるさまざまな物質を巻き込んで成膜します。そのため再現性が低く、同じように作ったとしても見た目や性能が違ってくることがあります。

その点スパッタリング法は、まず真空(10^(-4〜-8))状態にするため大気のゴミがない状態で成膜できます。

また、プラズマを発生させるために同一原子、分子のみで空間を満たし、2〜3Paにするので不純物がない空間での成膜が可能になります。

成膜する圧力によって厚さが変わる

成膜する圧力を変えることで、膜圧が変わってきます。

圧力について簡単に説明します。

圧力が高い = 物質が多い

圧力が低い = 物質が少ない

この知識を覚えておいてください。

本題に入ります。スパッタリング法ではプラズマをぶつけてターゲットを上につけることで成膜する方法と説明しました。

では、圧力の高い方と低い方で成膜した時どちらの方が膜が厚くなるのでしょうか?(成膜時間は同じ)

正解は、圧力が低い方です。あれ?と思った方もいると思います。確かに圧力が高い方がプラズマが多くてターゲットに当たる量も増えます。

ですが、ターゲットが飛び散った先にも大量のプラズマが存在することになります。飛び散ったターゲットはプラズマにぶつかり基盤まで届かないのです。

圧力が低ければ、ターゲットが飛び散る量が減りますが、その分基盤に届く量は増加します。

よって、圧力が低い方がより厚い膜ができるのです。

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